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挑戦

1. 本著の趣旨

自分自身が進むべき道をどのように模索し、どのようにして切り開くのかを記録する。それは自分自身のためでもあり他者のためでもある。実際のところ、どのように考え計画し実行するのかをドキュメント化することは私自身の書いた「本質と向き合い成功を重ねたい人が読む本」の内容を実践することに他ならない。

私自身が47歳(2009年4月1日)から出直して一からスタートを切るにあたり、過去の失敗を繰り返さず信念や価値観や理念に基づきやるべき道を切り開いていくつもりだ。それは簡単なことではないと思われがちだが、実は分析→計画→実行→評価→改善→計画→実行を繰り返すことによって少しずつ達成することができる。その小さな満足感や達成感は大きな成功への入口なのだ。その積み重ねが大きな成功へと繋がる。この記録はそれを具体的に証明するためにも必要なのである。

今これを書いているのは2010年2月の下旬である。昨年の4月から本年2月中旬までは「本質と向き合い成功を重ねたい人が読む本」を執筆していた。厳密に言えば2007年から執筆に着手していたのだが、通信関連の外資系企業で営業責任者として働いていたこともあって筆は殆ど進んでいなかった。今にして思えばその頃からだろうか、自分自身のキャリアステップについて疑問を抱くようになったのは。収入やポジションや会社の格などの見てくれにこだわりながら仕事を選ぶ自分自身に対して憤りを感じるようになったのだ。そして、外資系企業で通信サービスや通信系機器や部材を扱うことに何の意義もやりがいも感じられなくなった。

外資系企業のために働くことは果たして日本の貢献に繋がるのだろうか。また、ここまで技術水準もサービス水準も普及水準も高まった通信業界のためにこれ以上働くことは果たして日本のためになるのだろうか。そのような想いが沸いてきたのであった。そして、それよりもやるべきことは他にある筈だと思った。そして、2009年3月会社勤めを辞めた後に、執筆に専念した。それは今まで自分自身の中で沸々と湧き出ていた思いや考えを体系化したものである。それと同時に、今までの人生や仕事の棚卸でもあり、今後の進むべき方向性を定めるに際して必要となるものでもある。そう思っていた。それも約1年の後に完成しようやく次のステップに移れる。

これからの具体的な仕事を模索するにあたって、私自身がどのような気持ちで何を考えどのように実行するのかを如実に表現する必要があるため時系列的に記録を記すこととする。それは生の記録であり、自分自身にとってもそうであるがそれ以上に多くの人にとって役に立つ筈だ。気持ちや考えのうつろぐ様や洗練される様を時系列的に記すことで、どのような視点や考え方の下でどのようなプロセスを経てどのような仕事を作り上げるのかを記すことになる。

初心の気持ちを常に持ち続けるためには生の記録は必要である。それにより将来様々な刺激的誘惑に出くわしても惑わされることは無くなる筈だ。例えば、年収やポジションなどの外部的条件や世間体の良さそうな業種や職種を優先的に選択するような馬鹿な真似はしないということだ。あくまでも自身の信念と価値観と理念をもって模索すべきである。そして、それをどの方向で見出すかだ。例えば、既存の会社勤めの枠内で見出すのか、或いは独立自営や企業設立の枠内で見出すのかである。

人間は弱い生きものであるからこそ同じ過ちを繰り返す。人にはどうも12年周期があるようだ。私自身の経験からしても上昇期→絶頂期→下降期→低迷期の順にそれぞれのフェーズが3年ほどで12年1周期を繰り返している。それは12年も経てば痛かったことも楽しかったことも人は忘れてしまうものともいえよう。人間としての業なのかもしれない。但し、記録を留めておき傾向と対策を予め考えておけばダメージがあったとしてもそれを最低限に抑えることはできる。

人間である限り、いくら人生の途中で振り返り反省しやり直しても恐らくは同じ過ちを繰り返すことになる筈である。それが人間の業というものだ。但し、その過ちの度合いを小さくすることは間違いなくできる。そのためにも、自身の内面と向き合い本質的なものとは何なのかをよく考え、「心のもちよう」を正常化することである。そして、以下のプロセスに一貫性を持たせることである。

•信念 → 思考 → 行動

そのためには、自身の中に規律を持たねばならない。人は弱い生きものなので規律がなければとりとめのない考えや行動にもなりかねないからだ。そして、一貫性を持たせたら行動を習慣化することである。そうなればしめたものだ。成功間違いなしである。

私自身が進む道とは、私自身のやるべきことである。すなわち仕事である。勘違いしないで欲しいのだが、仕事とお金儲けは別ものである。もしかしたら多くの人は同じものと考えているのかもしれないが違う。物質的世界観の色彩が強い経済社会では両者は同じものと映るが、本質が違うのである。

仕事とは人や周囲のために何かをすることである。人を助けることだ。その結果として最後にお金がついてくる場合がこの現代社会では多いため混同してしまう。従って、仕事をするにあたりお金を第一義に考えるのは筋違いである。お金や名誉や体面などを第一義に考えて仕事を選択するから「心の持ちよう」がおかしくなる。それでは長続きする訳がない。そして、組織自体も徐々に弱体化し結果的に日本全体も弱体化することになる。

脳科学の視点から見ると、人間の脳では人との連携を前提とした機能発展や機能分化が行われているという。そのことからしても、やはり人間社会の根本は人との連携である。そして、人との連携には信用は欠かせない。現状では信用を強く意識することは少なくなった。人との連携も少なくなり社会が荒廃しているのもそのためだ。従って、仕事を作ったり選んだりする上で信用を強く意識することは重要である。

人とは単に生きるだけの生物ではなく社会的存在なのである。哲学的にはそれを自我と呼ぶ。人との連携に基づく人間社会の中で自身の存在意義が問われるということだ。そして、自分自身を大きく成長させるには正しい信念を持つことが大切である。信念とは正しいと思う強い気持ちとその思考方法(考えの起点と方向)のことである。信念は考えや行動の源泉であるからこそ大切なのである。強く正しい信念は一貫性に繋がるため、中長期的視点を保つことができる。

信用を強く意識し正しい信念を持ち、何をするべきかを自身の信念や価値観や理念に基づき考えそれに沿って行動するのである。その結果として、自身に相応しい仕事が見つかる筈だ。もしそれが既存の企業の枠内で見つからなければ自身で作れば良いのである。企業設立も良いだろうし個人事業主(自営業者)でも良い。しかし、この危機的経済状況下で本当にそんなことが上手くいくのか心配に思う人も多いかもしれないが、決して恐れることはない。

実は、今この一瞬を精一杯に生きてさえいれば先のことなどどうにでもなるのである。現状では、その逆をしている者が如何に多いことか。今この一瞬を精一杯に生きずして先のことを心配ばかりしているのである。それでは自身の将来を作ることなどできる筈がない。それだからこそ、企業設立や独立自営をした者の多くは上手くいかないのである。逆に言えば、そこにチャンスがあるといえよう。覚悟を決めること、すなわち腹を括ることが重要だ。

 

 

2. 行動指針

基本的な考えは以下のとおりである。それらに従って計画し実行する。

(1) 「お金は二の次であり先ずは人のために何をするべきかを第一義にすること」

現在の社会状況を鑑みれば人の「心のもちよう」がおかしくなっている。それが多くの人の「心の病」の原因となっている。そして、「心の病」は自殺やうつ病などの心身症やホームレスや薬物依存やアルコール依存などを増加させている。また、そこまでいかないとしても勤労意欲を失わせて労働力人口を減らしてもいる。その結果が日本の経済の低迷や社会の荒廃や国力の低下となって現れている。

経済を立て直すため有効な経済政策をとりデフレからの脱却を図るなどの小手先ではもはやこの日本の窮地を救うことはできない。根本原因は国民に蔓延した「心の病」であり、それは「心のもちよう」が狂いだしてきたからだ。従って、やるべきことは人の「心のもちよう」を正常化させる取り組みである。それが根本的な処置になる。

 

(2)「当面のこととして自分自身にとって何ができるかを考える。すなわち、自分自身にとって慣れ親しんだ分野を突破口にして実行し始めること」

自分自身は電気通信の業界に長く携わってきた。電気通信事業は通信技術が成熟したこともあって一定の水準まで普及した。さらなる発展はもはや日本社会には必要ない。人にとって必要以上の発展は必ずしも人間社会に良い結果をもたらすとは思えない。何故ならば、人は弱い生きものであるからこそ物質的で刺激的なものをより多く志向したがるからだ。それにより本質的なものから離れていき人間性を失うきっかけにもなりやすい。

昨年(2009年)の春頃には売上規模が世界上位に躍り出た中国系移動体通信事業会社の日本法人から営業責任者としてスカウトされたり人材会社から幾つかの欧州系通信機器メーカの新規事業マネージャーとして応募の打診をされたりしたが殆ど興味など沸かなかった。その後は経済状況がさらに悪化したこともあってそのようなスカウトはなくなった。そして、本年に入り3月にもなると通信業界に新たな求人の波が徐々に来ていることを感じた。それはある人材会社から欧州系通信事業会社がアカウントマネージャーを探しているので是非応募して欲しいとの熱烈な話があったからだ。しかし、今の私にはそのような話は全く興味が無いのである。

私はいままで多くの社員や部下を見てきた。そして、振り返ってみれば社員の質がここ十年余りで相当低下していることに気がつかされる。その本質は人間力の低下である。それは持続力や思考力や論理力でもあるが、何と言っても人間関係に関わることだ。すなわち、自己理解力や他者理解力、コミュニケーション能力、説得力である。そのような能力の低下はお粗末な家庭教育や学校教育のつけでもある。

やった経験が無ければ初めから無理だと諦め拒否する。或いは、自分の仕事ではないと拒否する。そのような姿勢では何をやっても駄目な筈だ。また、そのような者を甘やかしてきた周囲もおかしい。すなわち、組織全体がおかしくなってきた。それでは組織が活性化する筈もない。それだからこそ日本全体の企業成績が良くならない。

私自身はいままで自分の周囲や部下には厳しく接してきたつもりだ。ある時には「そんなことを彼に言っても彼には理解などできないよ」と言われたことも度々あった。それでも粘り強く言い続けた。何故ならば、それにより結果的に組織全体に活気が生まれることを肌で経験していたからだ。自らで考える癖を付けさせようとした。そして、行動するとはどういうことなのかを自ら考えさせようとした。さらに、組織全体で具体的な行動を考えさせようとした。その際、現場における「何故?」を全員で分析させた。それが結局成果へと繋がるのである。

大手電気通信事業会社に勤務していた時には研修センターの教官として2年間ほど経験させてもらった。人への接し方や話し方や教え方を学んだ。それと同時に、一方的な学習スタイルではなく相互交流による学習スタイルの重要性をも認識した。それは私が30歳から33歳にかけての頃であり今の私の礎になっている。

当時は、中堅エンジニア社員に対してデジタル交換技術や光伝送技術を実技含めて指導したり、大学院修士課程や大学卒業者などの新入社員に対して基礎的な通信技術全般や経営指標の見方などを教えたりしていた。その時には具体的なスキルや知識の習得自体が楽しくて仕方がなかったのだが、今考えてみるとそのようなスキルや知識を使って自分自身の人間力を育んでいたことに気がつかされる。

従って、当面のやるべきことは組織社員の人間力向上である。それは組織人としての人間力向上を目指した自己理解力や他者理解力やコミュニケーション能力や説得力などの底上げである。そのためには、当然思考力や論理力や表現力の向上も必要になる。そのようなことは私が通信業界で長年取り組んできたことに他ならないのである。それだからこそ、当面のやるべきこととしてこれから取り組まなければならないのである。

 

(3) 「中長期で何をやるべきなのかを考えること」

キーワードは「人」である。人の「心のもちよう」を改善することなく日本社会の復活はありえない。政策による経済復活すなわち雇用回復やデフレ脱却に躍起になっている政治家にはことの本質が分からないのかもしれない。そのためには精神的な価値観や長期的な価値観や本質的な価値観を持つ必要がある。というより、それらに回帰する必要がある。組織社員すなわち機能社会の向上も必要だが、それ以上に市民すなわち共同社会の向上は重要である。

共同社会の向上のためには次の2つが重要になる。一つ目は国民(=市民)の「心のもちよう」を改善することである。二つ目は弱者の救済である。それらの2つをパッケージで考えて活動しなくてはいけない。それらの根底には日本元来の「お互い様」の社会があるからだ。そのための人的ネットワークを日本全国に張り巡らす必要がある。

現在余りに多くのNPOが各都道府県単位に存在している。中には真面目にかつ地道に活動しているNPOもあるが、安直な考えで立上げ実質的には休眠状態にあるNPOも少なくない。そのため、残念ながらNPO自体を信用していない人も多く存在する。また、私自身の考えとして組織は利益を出すことを前提としなくてはいけないと思っている。組織には、企業もそうだが、社会的責任が問われる筈である。社会的責任の絶対条件として組織の永続性があるが、永続性を担保するにはやはり利益を出し続けなくてはいけないと思う。そして、それにより雇用も生まれるし国家や地方に納税することもできる。すなわち、社会的責任を果たすことができるということだ。

NPOも良いのだが、永続性すなわち安定性を鑑みればやはり利益を出し続ける企業組織の形態で人的ネットワークの構築に取り組む必要がある。つまり、それは社会的企業として取り組むべきものと考える。

 

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